牛は少し変わった生き物!?反芻(はんすう)動物について
大自然で草をむしゃむしゃ、もぐもぐと食べているイメージですね。
確かにその通りなのですが、ちょっと変わったタイプの草食動物になります。
例えば、牛には胃袋が4つあります。
これは、反芻(はんすう)動物の特徴でもあるんですね。
反芻(はんすう)とは!?
反芻という言葉は、聞いたことがないという方もいると思います。
反芻とは、一度飲み込んだ食べ物を口に戻して、再び咀嚼(そしゃく)することです。
咀嚼はもぐもぐ食べるということですね。
牛を観察していると、よくもぐもぐしているようなイメージがありませんか?
それは、反芻しているからなのです。
でも、どうして一度飲み込んだ食べ物をまた口に戻して粗食をするのか疑問に思いますよね。
そこで反芻をする理由について、ご紹介したいと思います。
牛が反芻をする理由について
牛の主食は「草」であり、反芻する理由が「草を食べているから」です。
この草には繊維分(セルロース)が多く含まれていて、消化にとっても悪いのです。
草から得られる主な栄養源が炭水化物になります。
牛が生きていく上で欠かせない栄養源です。
牛の胃袋は第一胃(ミノ)、第二胃(ハチノス)、第三胃(センマイ)、第四胃(ギアラ)で構成されています。
ちなみに、実際に食べ物を消化できるのは第四胃だけです。
しかし、消化の悪い草を第四胃だけで栄養分に変えることができません。
そこで、第一胃から第三胃が必要になってくるのです。
第一胃から第三胃で何が行われているのかというと、一度飲み込んだ食べ物を口の中にまた戻して咀嚼をするという反芻をしているのです。
胃袋には草の消化を助けてくれる微生物が存在しています。
微生物というと少し引いてしまうかもしれないですが、人間の体内にもビフィズス菌や乳酸菌などの健康に良い善玉菌がいますよね。
ただ、胃の中にいる微生物だけで繊維分(セルロース)の多い草を消化するのは難しいのです。
そのため、飲み込んだり、噛んだりということを繰り返すことで、少しずつ分解し、最終的に第四の胃で消化できるような仕組みになっています。
反芻とは、牛が食べ物を消化するため、つまり生きていくために欠かせない生理現象だということになりますね!
人も同じです。
食べ物はよく噛んで食べた方が消化・吸収に良いです。
あまり噛まずに食べると、消化が悪く体調不良になる原因にもなりますので、食べ物はよく噛んで食べるようにした方が良いですね。
牛以外にも反芻動物はいます
牛は変わった動物だなぁと思われた方もいるかもしれませんが、牛だけが特別なわけではありません。
羊、ヤギ、ラクダ、鹿、キリンなどの動物も反芻を行います。
割と、馴染みの深い動物達ですよね。
常に何かもぐもぐしているイメージがある動物達だと思います。
胃袋の数も3つ〜4つと多くあるのが特徴です。
この中にいそうでいない動物が入っていない!と思った人もいるでしょうか。
体が比較的大きくて、四足歩行である動物といえば馬ですね!
馬は、反芻動物ではありません。
見た目などの共通点は多いですけどね。
胃袋の数も一つだけです。
反芻は、一部の草食動物にだけ備わっている体の構造です。
もちろん、肉食動物は草をほとんど食べることがないのでありません。