牛の胃袋の数は4つ!どうしてこんなについているの!?
ぞれぞれの胃袋の呼び方は、第一の胃がミノ、第二の胃がハチノス、第三の胃がセンマイ、第四の胃がギアラとなります。
焼肉屋さんなどのメニューなんかで見たことがある人もいるかもしれないですね。
胃袋の占める割合は、牛の体重の約15%にもなります。
割合が多いということは、それだけ重要な役割があるということですね。
牛の主食はご存知のとおり、「草」です。
ですが、この草という食べ物は消化にとても悪いのです。
でも、どうしてわざわざ消化の悪い草を食べているのか疑問に思いますよね。
それは、いつでもどこでも食べることができ、食料に困りにくいのが草だからです。
また、外敵に襲われていても牛の胃袋は特殊で、一度胃の中に食べ物を入れて食べ物をため込んだり、安全な時にまた口の中に戻して噛むということができます。
胃袋に食べ物を飲み込んだり、口の中に戻したりを繰り返しています。
このことを反芻(はんすう)といいます。
消化の悪い草だけど、場所を選ばずに食べることができるというメリットとデメリットを抱えているからこそ第一から第4の胃袋が必要なのです。
胃袋がいくつもある理由についてですが一言で言えば、牛に胃袋が多いのは草を主食としているからですね。
それでは、第一から第四まである牛の胃袋の特徴や働きを見ていきましょう。
第一胃(ミノ)
胃袋全体の約80を占めていて、胃袋の中でも最も大きい部位になります。
微生物がたくさんいて、草や飼料などの分解・発酵をする働きがあるのが特徴ですね。
「ミノ」ではなく、ルーメンという呼ばれ方もしています。
焼肉料理などでもよく使用されている部位になるので、聞いたことがあるという方も多いと思います。
肉用牛では、個体差はありますが、容量は120リットル〜200リットルにもなります。
お乳を絞る乳用牛の場合は、容量が300リットルになることもあるようです。
容量について、今いちイメージがわかないという方もいると思いますが、150リットルでお風呂に使うお湯の量と同じぐらいで、180リットルでドラム缶1本分の容量になります。
ものすごい量だということですね。
これだけの大容量なら、牧草や飼料なんかも大量に食べたり、ため込んでおいたり、食べ直すことができますよね。
第二の胃(ハチノス)
胃袋全体の約5%がハチノスになります。
ちょっと変わった名前ですよね。
見た目がそのまま蜂の巣に似ていることからこのような名称になったようです。
第一の胃(ミノ)とつながっていて、反芻(はんすう)する重要な役割があります。
反芻とは、一度飲み込んだ食べ物を胃から口の中に戻してまた噛むことですね。
牛やヤギ、羊、キリンなどは反芻動物と呼ばれたりしています。
第二の胃は反芻をする上で欠かせないポンプのような重要な器官になります。
第三の胃(センマイ)
反芻されて細かく分解された食べ物が流れ込んでくるのが第三の胃(センマイ)ですね。
胃袋全体の約7%くらいの大きさで、ハチノスより少し大きいのが特徴です。
センマイにはヒダがたくさんあり、さらに食べ物を細かく分解されてから、第四の胃であるギアラへと運ばれていきます。
第四の胃(ギアラ)
最終的に行き着くのが第四の胃(ギアラ)です。
こちらも、第三の胃であるセンマイと同じぐらいの大きさで、胃袋全体の約7%を占めています。
主な働きは「消化」をすることです。
第一から第三の胃袋は、人間の胃袋とは全く違う働きをしているのに対して、ギアラは人間の胃袋と同じような働きをしているというイメージですね。
第一の胃から第三の胃は食道が進化してできた胃袋
消化液が出て、実際に消化機能があるのは第四の胃(ギアラ)だけです。
その他の第一から第三の胃は、どちらかといえば食道に近いのです。
胃袋というよりは食道が変化・進化したというイメージですね。
そのため、第一から第三の胃袋は胃袋ではなく、本物の胃袋は消化機能がある第四の胃袋だけだ!とも言われたりしています。
色々な意見はありますが、牛にとってはどうでも良い話題なのかもしれないですね。。。
厳しい自然の中で生き抜くために、このような複雑な胃の構造になったのでしょう。
「ミノ」「ハチノス」「センマイ」「ギアラ」は、ホルモンとしても人気で、美味しく食べることができる部位です。
それぞれ違った食感、独特の深い味わい・旨さを醸し出してくれますので食べる機会があれば、是非食べてみてくださいね。